【書評】「一流の思考法 WBCトレーナーが教える「自分力」の磨き方」


一流の思考法 WBCトレーナーが教える「自分力」の磨き方 (ソフトバンク新書)
一流の思考法 WBCトレーナーが教える「自分力」の磨き方 (ソフトバンク新書) 森本 貴義

おすすめ平均
stars生活の中の、ひとつひとつの行動が常に「チャレンジ」と「試行錯誤」
stars自分の磨き方
stars結果よりプロセス
stars「成功」よりもまず「成長」を!
starsとても読みやすかったです。

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「型を作ると楽になる」

iPhone版、電子書籍で購入。

日本、アメリカ両方でプロ野球トレーナーとして活動してきた森本貴義さんが、イチローやその他一流選手の普段の様子を間近で見てきた体験を基に、一流選手達の共通点をまとめた一冊。

以下は目次。

第一章 失敗率という考え方
~失敗が少ないとはどんな人?~
1 そもそも、世の中に失敗はない
野球は失敗のスポーツ!?/失敗と成功は表裏一体
2 結果主義者とプロセス主義者
世界記録を生み出す秘訣/プロセスが結果を制す!?
3 結果主義はプロセス主義には勝てない
下にしか向かわないらせん階段/自分と自分を比較する/ドラフト制度が抱える「矛盾」
4 結果はすべて自分のせい
失敗日米比較/コーチの指導は絶対か!?

第二章 無意識のチカラ
~失敗を減らすために、一番重要なこと~
5 無意識に仕事をしよう
歯磨きに失敗はない
6 無意識の必要性
通勤と知らない街への訪問、どちらが疲れる?/意識しすぎて凡ミス/頭よりも体を反応させる/「余計な意識」は、プロの体をも硬直させる
7 無意識のチカラを高めるために必要な”約束”
愚直に実施している「目標」
8 「約束」とは、準備に時間を割くこと
あなたにとって「本番」はどこか?/あなたにとって「準備」とは何か?/合同練習が多い日本のプロ野球/あなたが求めるカレーの味は?
9 強みがあればメジャーリーガーになれる
イチロー選手のトレーニングをしても、イチロー選手にはなれない/「弱みを補完する」 VS 「強みを強化する」
10  準備こそがあなたの自信になる
人の評価で自信は生まれるか?/あなたの評価は、十人十色/いざというとき、自分と他人、どちらを信用するか?

第三章 無意識のチカラを作り出す「4つの型」
~ルーティーンが成果を生み出す~
11 型のチカラ
レシピがあると、料理が楽になる/イチロー選手のヒットのレシピとは/仕事を型にしよう
12 一日の型をつくろう
イチロー選手の地味な一日/「型」は、本番と準備で構成される/同じ時間に同じことを
13 仕事モードに入る型をつくろう
神経をコントロールしよう!?/あなたの「朝のスイッチ」はどこにある?
14 プライベートになれる「型」をつくろう
一日の終わりのスイッチが、あなたの健康を左右する/「OFF」のスイッチは、体と心の二段構えで
15 つまずいたときに立ち直る「型」をつくろう
人生と試練は切っても切り離せない/試行錯誤をいつまでも続けられるか?/長谷川選手から頂いた新しい経験/今、未来、過去で一番大切なものは?

第四章 道づくりと体づくり
~あなたの体に成功は宿るか~
16 人の評価に惑わされるな
無意識なのに疲れる人々/あなたは、メディア依存型の評価をしていないか
17 あなたの成果は誰のためのもの?
誰のための成果か/社会の中の自分
18 道の発見は、自分の役割を認識することから始まる
強いチームほど個人主義/トレーナーも勝敗のカギを握る
19 道の追求は人生の糧となる
道を持っている人の特徴/道の追求はあなたの人生を豊かにする
20 成功は健康な体に宿る
キレル原因は体の中にあり/あなたの準備に、体づくりは含まれているか?
おわりに

内容は、大きく別けて二つ。
一つは、森本さん自身の日本とアメリカでのスポーツトレーナーとしての活動の経歴的なエピソード。
もう一つが、森本さんが主にイチロー選手等一流アスリート達を身近で見て来た体験から感じた「思考や行動の共通点」をまとめた内容の二つで構成されている。

■特に印象深かった箇所
電子書籍版P55
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人と自分を比べることは、劣等感を感じる機会を増やし、「私は人より劣っている」と自信を喪失させていきます。なんともったいないことでしょうか。
実は「結果を出す人」は他人と自分を比較しません。では、何と比較しているのでしょう?
その比較対象は、「昨日の自分」にあります。つまり、「昨日の自分」と「今日の自分」を比較しているのです。
「理想のバッティングフォームを実現したい」という目標があった場合、昨日よりも今日のバッティングフォームが理想に近づいていればそれでよい、と考えます。
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「比べる」という事自体にネガティブな印象を持っていたのだが、「自分自身と比べる」という視点がとても新鮮だった。
人の意識は内ではなく、外に行く事が多いと感じているが、己とどう向き合うか。何か禅の思想に通ずる領域だなと感じた。

■本から得た豆知識
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起床してから活動モードをONにする為には、交感神経を刺激するのが良いとのこと、その効果的な方法の一つに、朝熱目のシャワーを首の少し下の部分に1-2分間程当てると交感神経が活発になるとのこと。
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日常のあらゆる行動を「型」にしてしまうという考え方が特に参考になった。
型を作る事によって、それらを毎日「無意識」にこなす事ができるようになる。
「歯磨き」を失敗する人がいないように、「練習」「勉強」等々自分に必要な時間を「型」にしてしまう事で、毎日こなしていけるようになる。

ちなみに、イチロー選手はほぼ毎日同じ時間に同じ日程をこなしていて、端から見たらその毎日は極めて「地味」なそうな。
イチロー選手にはイチロー選手なりの最高のコンディションを維持する「型」があり、自分に合った「最高の型」をそれぞれ個人が日々試行錯誤して構築していくことが重要だと感じた。

「不健康」・「悩みが多い」等々、それらはもしかして、日々生活の中で、無意識に「ネガティブな型」を実践してしまっている結果なのかもしれない。
日々の生活で、自分の成長に繋がる新しい型を一つずつ増やして行こうと思う。

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