【映画レビュー】「きみに読む物語」


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ニコラス・スパークス

ハピネット 2006-10-27
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あらすじ
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認知症を患い過去を思い出せずにいる老女と共に、療養施設へ入寮しているデュークは、ノートに書かれた物語を彼女へ読み聞かせている。物語は、1940年のアメリカ南部シーブルックを舞台にした、青年ノアと少女アリーのひと夏の出来事であった。
(Wikipediaより)
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「奇跡」は起こらなかった。
しかし、その物語が”既に”奇跡であった。

この映画の登場人物、「誰の立場で見るか」によって、「善人」に見えたり「悪人」に見えたりする。
それは激しい憎しみの対象だったりするんだけど、しかし、ぽろっと正反対の一面が見れたりする。
その時に、「あぁだ、こうだ」と、一方的に人を責める事なんでできないと痛感する。

結局、この映画には誰一人として「悪人」はいないし、「善人」もいない。もし存在するように思えるのなら、それは私たちが無意識に登場人物の誰かの心境へフォーカスし、色眼鏡(フィルター)で他の人物を見てしまっているからだ。

そもそも映画等の物語というのは、登場人物の心境と自分の心境を同調させる事が楽しみの一つである。
そのほとんどは「主人公の心境」に偏る傾向があるような気がするんだけど、この映画は、どの登場人物にでも自分の心境を重ねやすく構成されている。
だからこそ、ただの恋愛系という枠に収まらずに色々考えさせられる。

「誰も悪くないし、誰も正しくない」
「正しい行動も、間違った行動もない」

じゃあ、何を信念にするのか?

それは、
「私はどうしたいか?」

という事。

彼らにとっての
「私はどうしたいか?」の答え、

それは

「あなたを愛したい」
という事。

彼らは、壁にぶつかりながらも「私はどうしたいか?」を貫いた。
一生をかけて。

それによって「傷ついた人」もいれば、「幸せを感じた人」もいるだろう。

「それは正しいのか間違っているのか?」
その問いに対して、私には誰もが納得をする答えを出す事はできないだろう。
それはほとんどの人がそうだと思うし、おそらく主人公達も同じだったんだと思う。

だから、既に明らかになっている事を信念に生きるしかない。

明らかになっている事とは何か?

それは、
「私はどうしたいか?」という問いの答えである。

人は無意識にその答えに対して「分からないフリ」をしてしまうが、
その問いの答えはどんな時でも明らかである。
明らかにしてしまう事を恐れているのだ。

人は、明らかな事に気がついてしまった時、迷いがなくなる。
誰もそれを止める事ができない。
そしてひたすら突き進むのだろう、一生をかけて。

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