人は「自分の好き嫌い」に関してはよく分かっているものだけど、「自分が何に向いているか」に関しては盲目的な事が多い。
自分の周りを見ていると「自分が何に向いているか」に気がついて、そこに集中した人の方が大きい結果を残していると感じる。
何故かと言うと「自分の好きな事が、必ずしも自分に向いている事であるとは限らない」からである。
「自分が何に向いているか」を分析するのに分かりやすい方法のコツは、下記の二点に注目してみることである。
・普段依頼される仕事や、お願い事等の内容で、比率の多い事は何か?
・自分にとっては特に大変な内容ではないのに周りから「凄いね」とよく言われる事は何か?
自分の例で言うと、制作の依頼で一番比率が多いのは「オーケストラ系のサウンド」。
そして、もっと詳しくしてみると「和物系テイスト」の楽曲制作。
これらが組み合わさって「和物オーケストラサウンド」という感じでの依頼がとても多い。
これは実はとても意外な展開で、元々和物テイストの音楽に関して興味もなければ、その分野に手を出すつもりもなかった。
しかし、ひょんな事から最初の和物テイストのお仕事を頂き、それらをこなしているうちに新規の和物のお仕事も入って、和物系のたくさんのスタジオミュージシャンの方々ともネットワークや仕事の繋がりができて、どんな和物テイストでも対応できるようになり、気がつけば自分のメインジャンルの一つになってしまった。
今思うと「自分に向いていた」のだと思う。何よりもやっていて楽しい。
でも最初にお仕事をもらった時には気がつかなかった。連続してお仕事をもらい続けるうちに気がついたのである。
最初に音楽制作チームに参加して、和物ジャンルに関わるきっかけになった舞台「MOON SAGA -義経秘伝-」(動画は2014年の第二章から)
唄物のお仕事も最近増えていて、これも全く想定外な展開だった。
2010年の上京当時は唄物楽曲を全く作れなかったのと、そもそも唄物のお仕事をする気もなかったからである。
加えてとにかく「苦手意識」が強かった。「自分には唄物は無理」だと思い込んでいたのである。
しかし興味深い事に上京当時から面倒を見てくれている先輩ミュージシャンの方に「お前は唄物に向いていると思うから、もう少し努力して唄物にも慣れてみた方が良い」と言われたのと、必要に駆られて制作しているうちにコツを覚えてからは、一日で数曲のデモも作れるし、定期的にお仕事を頂けるようになった。しかも作っていて楽しい。
これも完全な想定外。「嫌い」だと思っていたのに、やってみたら結構自分に向いていて、そして最終的には好きになってしまった。
その先輩はジンマが「唄物楽曲」に関して、「好き嫌い」の領域で考えている中、「向き不向き」で見てくれていたのである。
人の好き嫌いなんて、いい加減なものだ。
「自分に向いている」と気がつけば途端に「大好き」になる。
「自分に向いている事に関しては風が吹き続ける」と僕は思っている。
(風というのは「チャンス」とかそういった類の意味と捉えてくれれば)
好き嫌いで風を除けてしまっては勿体ない。
そこに抗わずに風に乗ってみる。そこにとても大きな意味があるのでは、と感じる最近である。
下記は参考になった書籍のご紹介。
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