新書がベスト (ベスト新書) 小飼 弾 ベストセラーズ 2010-06-09 |
「本を読むのがもっともっと面白くなる本」
月間100万PVを誇る有名書評ブロガー「小飼弾」さんの「読書」に関する書籍。
まず、目次を紹介。
序章 生き残りたければ、新書を読め
1.なぜ今、本を読まなければならないのか
2.新書以外は買わなくていい
Part1 新書の買い方、読み方
1.読書レベル0からの【初級編】
2.なんとなく読みはじめてからの【中級編】
Part2 新書を10倍生かす方法
1.タイトルから本の出来を測る
2.ダメ本も味わう
3.疑うことを楽しむ
4.洗脳されずに自己啓発本を読む
5.話題の本とは距離をおく
6.ジュニア向け新書はこんなに楽しい
7.複数の新書を同時に読む
8.本で得た知識を活用する
9.「超」整理法で本を整理する
10.ウェブを使って本を読む
Part3 新書レーベルめった斬り!
1.貫禄のある老舗レーベル
新書スタイルはここから生まれた「岩波新書」
じっくりと時間をかけて仕上げる「中公新書」
社会派老舗の風格「ちくま新書」
2.新書界の革命児たち
目の付け所が光る「光文社新書」
新書ブームをつくった「新潮新書」
クリーンヒット率の高い「幻冬舎新書」
節操のなさが強みでもある「PHP新書」
すぐれた海外翻訳モノ「ハヤカワ新書juice」
3.科学を楽しむ新書レーベル
科学系新書の元祖「ブルーバックス」
カラーと図版の勝利「サイエンス・アイ新書」
ハズレ率の驚異的な低さ「DOJIN選書」
4.セットで買いたい新書レーベル
右寄りと左寄りで好対照「集英社新書」「文春新書」
コンセプトが迷走?「講談社現代新書」「講談社+a新書」
事情はわかるが紛らわしい「角川oneテーマ21」「角川SSC新書」
大人こそ読みたい「岩波ジュニア新書」「ちくまプリマー新書」
5.色が定着してきた熟成期レーベル
元祖「ライフハック本」「宝島新書」
かくも楽しきニッポン文化「平凡社新書」
実用知識をユニークな構成で見せる「新書y」
スゴ本、ダメ本 玉石混淆の「青春新書インテリジェンス」
ルポが光る、新聞社系新書「朝日新書」
エコとエロが共存する「ベスト新書」
6.テーマの鮮度が命の上昇中レーベル
IT好きにうれしいラインナップ「アスキー新書」
派手なグループの地味なレーベル「ソフトバンク新書」
今後が楽しみ「マイコミ新書」
新書と電子ブックの未来
コラム
あとがき
P14
「これからの世の中で生き残りたければ、新書を読め。
本書で私が言いたいことは、たったこれだけのことにすぎません。」
最初にこう切り出し、「何故本を読む事が大切か」「推奨する新書の購入法」「読書を生かす方法」等々、著者の推奨する読書法が展開されていく。
何よりも興味深いのが今回著者が「新書」にこだわった事。
「何故、新書なのか?」という事に関して、抜粋すると以下のようなメリットが書かれている。
・片手で持ちやすく、場所を取らない
→持ち運びが楽・置き場所を選ばない
・ハードカバーに比べて価格が安い
→たくさん購入ができる
・装丁でごまかせないので、中身で勝負している分、内容の平均品質が高い
・同一レーベルでの「抱き合わせ購入」をしやすく、様々な分野に触れる機会がある
→レーベルの大人買いができる
勝間和代さんの書籍「効率が10倍アップする新・知的生産術」(後日レビューします)では「2000円以上のハードカバーの本を読む」事が推奨されているが、小飼弾さんのまったく逆のアプローチは、とても興味深く刺激があり、私自身新書がとても好きで愛着を持っていたのでとても嬉しかった。
「新書の買い方」として、著者は「大人買い」を推奨していて、下記のような方法が紹介されている。
P36
「新書コーナーが充実している(リアルの)書店に行って、そこにある新書を「選ばず」「適当に」、まとめ買いしてください。
……省略
複数レーベルを混在させる必要もありません。老舗レーベルなら100冊以上は優に揃っていますから、棚からごっそり取り出して、レジに持って行きます。」
私は、著者の「大人買いの読書法」を普段から実行していて、この方法はたくさんの本に触れる為にとても有効的な手段であると実感をしている。
「新書がベスト」を読んでからは、タイトルを見ないで同一レーベルの「棚買い」も開始した。
「読書法」の本は世の中にたくさんあるが、本書が他の読書法系の本と一線を画している印象的な点として、Part3の「新書レーベルめった斬り!」の章の存在がある。
この章では、著者が有名新書レーベルの「特徴」「お勧め本」「ダメ本」を、レーベル別に紹介するという斬新な展開がされている。
私は以前まで、本を買う時にレーベルを特に意識する事はなかったが、この章を読んでからレーベルを意識するようなったし、そしてなんといっても各レーベルに愛着が持てるようになった。
自分が今まで購入した事のないレーベルが紹介されていたりと、新しい購買意欲も誘われた。
そして、本を読む楽しみがまた一つ増えたのでとても嬉しい。
本書を読んでいると、著者がいかに読書を愛しているかが伝わって来る。
そして、読んだ側も「もっともっと色々な本を読みたい」と思わせてくれる素晴らしい良書だと感じた。
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