【書評】「減らす技術」レオ・バボータ


減らす技術 The Power of LESS 減らす技術 The Power of LESS
レオ・バボータ

ディスカヴァー・トゥエンティワン 2009-08-05
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「人は無意識に複雑にしてしまう」

俗に「成功本」とか「ビジネス本」とか「ハウツー系」等と呼ばれる本は、読書を始めた一年目くらいの時期にだいたい100冊近く読んで、大抵が同じような内容という事が分かってしまったので、最近は新しく購入する事は滅多になかったのだが、この本に関しては「著者の体験」が自分が体験した事とあまりにもソックリだったので、思わず購入してしまった。

まずは、目次を紹介。

押しよせる”波”の中でやすらぎを見つける
シンプル・イズ・ベスト
2年で私の人生は一変した
人生をシンプルで生産的にする「6つの原則」
「減らすこと」で人生は変わる

「パート1・原則編」
さあ、減らすことを始めよう やることを減らすとなぜ成果が上がるのか?
「減らすことの威力」を俳句に学ぶ
もっともインパクトがあることを選ぶ
人生のあらゆる場面で制限する

減らす原則1 制限する
制限ある生き方のメリット
1度にひとつずつ変える
制限値を決め、習慣化する

減らす原則2 本質に迫ることだけを選ぶ
生産性だけ上げても意味はない
「本質に迫ること」を見極める9つの質問
さまざまな場面で9つの質問をする

減らす原則3 シンプルにする

減らす原則4 集中する
集中で人生改善
シングルタスクに集中する
「今」に集中する

減らす原則5 習慣化する
「習慣化チャレンジ」はなぜうまくいくのか?
習慣化チャレンジのルール
12の基本習慣からはじめよう

減らす原則6 小さくはじめる
小さくはじめると成功する理由
「いつでも、なんでも」はじめてみよう

「パート2・実践編」
減らすテクニック1 シンプル・ゴール
「ワン・ゴール」方式

減らすテクニック2 シンプル・プロジェクト
達成に集中する
プロジェクト・リストが思い通りにできないときに

減らすテクニック3 シンプル・タスク
もっとも重要なタスク(MIT)
スモール・タスク

減らすテクニック4 シンプル時間管理
時間管理が苦手な人はオープン・スケジュールでいこう
意識的に「フロー」に入る
自分の優先順位を知る
タスクを減らす
バッチ処理でまとめてかたづける
シンプル時間管理のツール

減らすテクニック5 シンプルEメール
“受信トレイ”を最小限に減らす
Eメールの処理時間を減らす
入ってくるメールを減らす
受信トレイを空にする
書く量を減らす

減らすテクニック6 シンプル・インターネット
インターネットの使用状況を自覚する
目的を持って計画的に使う
「オフライン」で仕事する
インターネット依存症を克服する

減らすテクニック7 シンプル・ファイリング
シンプルなファイル・システムを作る
家の中の書類整理に応用する

減らすテクニック8 シンプル・コミットメント
リストアップする
ショート・リストにする
大切でないものを減らす
「ノー」と言う
好きなことをする時間を作る
人生をシンプルにする

減らすテクニック9 シンプル・ルーチン
「朝ルーチン」の力
「朝ルーチン」を選ぶ
「夜ルーチン」で明日へのスーパーチャージ
「夜ルーチン」の基本例

減らすテクニック10 シンプル・デスク
すっきりとしたデスクの効用
最初の一歩を踏み出すには
本質に迫ることだけに絞る
「すっきり」を保つコツ
家の中もシンプルに
シンプル・ホームを維持するコツ

減らすテクニック11 シンプル健康管理
健康管理はなぜ難しいのか
シンプル健康管理プラン
ステップ1 エクササイズを習慣にする
ステップ2 食事管理に少しずつ取り組む
ステップ3 じわじわとレベルを上げながら継続する
エクササイズのモチベーションを高める方法30

減らし続けるために モチベーションをどう保つか
モチベーションとは?
スタート地点でモチベーションを高める8つの方法
つらいときにモチベーションを維持する20の方法

私の著者と共通した体験というのは、下記の事。

「ジョギングを習慣にした」
「ヘルシーな食事をするようになった」
「計画的、生産的になった」
「早起きの習慣を身につけた」
「菜食主義になった」(私の場合正確には肉を完全には禁止しておらず、野菜中心の食生活になった)
「人生をシンプルにした」
「20キロ近く痩せた」(私の場合は15キロ痩せた)

著者の体験談はまだまだあるのだが、自分とここまで体験がリンクした人間の事を知るのは珍しいので、そんな著者がどんな本を内容の本を書くのかとても気になってしまった。

本のテーマは単純で
「自分にとって重要でない事を極力減して、重要な事だけに専念する」
というもの。
「減らす」というか「シンプル」という言葉の方がしっくりする。

おそらく、ここら辺の内容をもっともっと深く理解したい場合は、「禅」に関する書籍を読むのも早道のような気もする。
後日レビューを書こうと思うが、「禅」に関する書物は大抵が「シンプルに生きる」という発想が書かれている事が多い。
おそらく、著者も禅の影響を少し受けているのでは? と感じた。

本書の中で著者は「人生をシンプルにするポイント」は以下のように語っている。

1 何が大切か見極める
2 関わり合いを見なおす
3 することを減らす
4 タスクやアポの間には空白時間を作っておく
5 ToDoリストの項目を減らす
6 スピードを落として、各タスクを楽しむ
7 ほかのことを考えながらやるのはやめよう。一瞬一瞬を大切に生きる
8 シングルタスクにする
9 ストレスを減らす
10 一人の時間を作る
11 何もしない時間を作る
12 シンプルなよろこびを1日にちりばめる
13 今を生きる
14 自由な時間を作る

本書のこの項目もそうだが、「成功本」「ビジネス本」に書いてある事を簡潔にまとめると、

「考えないで、すぐ行動する」
「自分の人生において、最も重要な事(環境や人間関係も含む)のみに集中する」
「休むときは徹底的に休む」
「身体の健康は心の健康とリンクするので、心身両方の健康維持を大切にする」

もっと、細かい点を言うとまだまだ項目があると思うけれども、(例えばポジティブシンキングとか。。。)代表的なところで、以上のような感じになると思う。

本書は「シンプル」「減らす」という点に関してターゲットを絞っているので、過去にビジネス書等を読んだ事があまり無い場合は入門編としてとても読みやすいと思う。
本書を読んだ上で、もっともっと「シンプル」という世界を見てみたいと思った場合は、「禅」系の本や、その他のビジネス書に手を出してみるのも一興。

「シンプル」という世界は、知れば知るほど「ディープ」になっていく。

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